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【柔道整復師科・鍼灸師科】「東洋医学」とは?🤔

2025.09.02
柔道整復師科
鍼灸師科
スポーツメディカルコース

皆さんこんにちは!

今日は鍼灸師学科で習う東洋医学について簡単に紹介したいと思います。

実際の授業の雰囲気を体感してみてください♪

 

1.そもそも「東洋医学」って何?

「東洋医学って何ですか?」

こう聞かれて、すぐに答えられる人は意外と少ないかもしれません。

鍼灸を学ぶ学生にとっても、なんとなく「体にやさしい医学」「鍼灸や漢方」といった、漠然としたイメージのまま学び始めている人が多いのではないでしょうか。

実は、私たち鍼灸師からみても「東洋医学とは何か?」と改めて問われると、意外と正確には答えるのが難しいのです…🤔

というのも、「東洋医学」という言葉は非常に広い意味を含んでいて、どの国で・どんな文脈で使われるかによって、その中身や指す範囲が大きく変わってくるからです。

今回は「東洋医学」という言葉の成り立ちと、それがどのような医学を含んでいるのかを整理しながら、東洋医学のルーツを探っていきましょう。

 

2.アジア各地に広がる東洋医学の世界

「東洋医学」という言葉は、しばしば中国の伝統医学である=「中医学」として理解されがちですが、実はあまり正確ではなく、広義では「東洋医学」は、アジア地域に伝わる伝統医学の総称であり、それぞれの地域で独自の発展を遂げてきた、多様な医学の集合体なのです!

そのため、聞きなれないものも多いかとは思いますが、中医学はもちろんのこと、アーユルヴェーダ、チベット医学、ユナニー医学など、すべて「東洋医学」という大きな枠の中に含まれています。

意味が広すぎる…😵‍💫

そう思った方も少なくないはず。

ということで、実際には日本において東洋医学というのはもう少し狭い意味で用いられることが多く、中国の伝統医学(Traditional Chinese Medicine)である中医学を中心とした医学体系(狭義の東洋医学)を表すことが多いです。

参考:東洋医学の英語表記
Oriental Medicine:直訳的な表現。以前は一般的でしたが、近年は「Oriental」という言葉が文化的に曖昧・差別的とされる場合があるため、学術的・国際的な場では使用が減っています。

Traditional Asian Medicine:より中立的かつ包括的な表現で、アジア諸国の伝統医学全体(中医学・アーユルヴェーダ・韓医学など)を指すときに使われます。

Traditional East Asian Medicine (TEAM):中医学・漢方・韓医学といった「東アジアの伝統医学」を限定的に指すときに使われることがあります。日本でいうところの東洋医学の考えに近いですね。

Traditional Chinese Medicine (TCM):中国の中医学を特定して指す表現で、WHOや国際論文では主にこちらが使われます。

 

3.日本と中国では「東洋医学」の意味が違う?

先ほど説明したように我々日本人が国内において東洋医学の話をする際には、中医学をベースとした医学を指す場合が多いですが、中国においては「東洋」は「日本」を表すことが多いことから、東洋医学はむしろ日本で中医伝統医学をベースに発展した医学(漢方)を表すことが多いです🧐

このため、中国では東洋医学という表現はあまり用いられず、中国の経験医学を伝統医学として体系化した「中医学」という言葉を用います。(中国に「東洋医学を学びに来ました!」というのは現地の人にとっては違和感があるようです…)

 

東洋医学の意味を日本と中国でざっくりまとめると

・中国 → 日本で独自に発展した中国伝統医学を基盤とした医学(漢方)

・日本 → 中医学を中心とした医学体系(狭義での東洋医学)

 

このように「同じ単語でも、学ぶ場所や国によって違う意味を持つ」という視点は東洋医学を学ぶ上でとても重要です。(特に古典の内容は、時代や思想の影響を受けて解釈が複数あることも…)

普段の授業では東洋医学はもちろんですが、解剖学や生理学のような西洋医学も勉強するので、人の身体や健康に興味がある方はぜひ一度学校に遊びに来てください!

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